製品・サービス

SARS-CoV-2 S-IgG抗体受託測定サービス

特長

SARS-CoV-2 S-IgG抗体受託測定サービスについて

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質※1(S抗原)に対して特異的に反応する血中のIgG抗体※2を検出可能な抗体検出技術を確立し、研究用受託測定サービスを提供します。SARS-CoV-2の抗体検査に関しては、SARS-CoV-2の感染歴や中和活性などの防御能に関する診断技術だけではなく、予防を目的としたワクチン開発や、治療を目的とした抗ウイルス薬などの創薬研究、経済活動や入国管理などの活動基準の設定などにおいても広く活用可能と考えられます。
 本サービスでは、血中のS抗原に特異的に反応するIgG抗体を検出することが可能です。本サービスの内、IgG抗体検出抗体を用いた臨床性能評価では、「SARS-CoV-2 陰性群」と「退院時のSARS-CoV-2患者群」間における血中のS抗原に対するIgG抗体の濃度の比較において、患者群で抗体量の上昇がみられ、陰性群と明らかな弁別性能を示す結果が得られています。このことから、COVID-19の既往歴やSARS-CoV-2への防御能に関する研究や臨床的意義の検討に加え、様々な疫学調査等へも活用できる可能性が示唆されました。

※1 スパイクタンパク質(S抗原) ウイルスの周りに無数に突き出したタンパク質であり、細胞の受容体と結合することで感染が生じます
※2 IgG抗体 血中に最も多く存在し、強い中和作用などを有するとされる抗体
   
     
     
  • SARS-CoV-2ウイルス イメージ図

仕様

測定項目

SARS-CoV-2 S-IgG
(現在は、S-IgG項目のみ測定項目となっております。)

※本サービスは研究用のため、診断には使用できません。

研究用抗体受託サービス測定例

本測定サービスを用いた「SARS-CoV-2陰性群」と「退院時のSARS-CoV-2患者群」間における血中のS抗原に対するIgG抗体の濃度の比較において、図1のとおり患者群で抗体量の上昇がみられ、陰性群と明らかな弁別性能を示す結果が得られました。
図1陰性群(n=300)と退院時の患者群(n=33)の間においてIgG抗体の定量値に統計学的な有意差を確認
※陰性検体はNCCで保管されていたCOVID-19流行以前の血清、および、退院時検体はNCGMから提供された血清を使用
本測定試薬を用いて市販購入検体を測定した結果、図2のとおり、陰性群と明らかな弁別性能を示す結果が得られました。
図2陰性群(n=172)と陽性検体(n=14)の測定結果
これらの結果は、本サービスが、幅広い疫学的研究や、ワクチンの効果モニタリングなどの臨床応用へ活用できるとともに、今後の治療法開発において重要な知見となることを示唆していると考えられます。

サービスフロー

検体測定サービスの流れをご紹介いたします。
ご提出いただく検体量等の詳細情報はお問い合わせください。

お問い合わせ

シスメックス株式会社 ビジネスインキュベーション室
Tel:078-991-2147
Mail:Nextinnovation.japan@sysmex.co.jp
受付時間:9:30〜17:00(土曜日、日曜日、祝日、年末年始のほか、弊社休業日は除く)