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NY-ESO-1抗体、XAGE1抗体 受託測定サービス

特長

NY-ESO-1抗体, XAGE1抗体とは?

 がん精巣抗原(CTA, cancer-testis antigen)は、がん細胞と精巣など胚細胞に限局して発現しているタンパク質です1。これまで約200種類のCTAまたはCTA遺伝子が同定されていますが、CTAの発現(種類、数、頻度、量)や抗原性は、がん種によって異なっています。なかでもメラノーマ、卵巣がん、肺がん、膀胱がんはCTAを高頻度に発現し、乳がんや前立腺がんは中程度、腎細胞がん、大腸がん、リンパ腫は発現頻度が低いがんとされています2,3
 CTA の中でもMAGE-A1、MAGE-A3、 SSX、 NY-ESO-1、XAGE1は、担がん患者において、これらの抗原に特異的な細胞性と液性の両方の免疫応答を誘導します。とくにNY-ESO-1は、多くのがん種で発現し抗原性が強く、これら担がん患者の血液にはNY-ESO-1抗体が検出され、XAGE1抗体は非小細胞肺がん(とくに肺腺がん)患者で高頻度に検出されます4,5。また血液に抗体が検出される患者では、多くは末梢血に抗原特異的なT細胞が検出されます4,5
 近年、がん免疫療法は多くのがん種の標準治療として開発が進んでおり、とくに免疫チェックポイント療法は多くのがん種へ適応が拡大しています。しかし、がん種によっては免疫チェックポイント阻害薬(ICI, immune-checkpoint inhibitor)の効果は限定的で効果予測が困難であること、免疫チェックポイント療法は高額な治療であることが、世界中で医学的かつ社会的に解決すべき喫緊の課題となっています。川崎医科大学(免疫腫瘍学および呼吸器内科学)では進行期・非小細胞肺がん患者において、血清NY-ESO-1抗体と血清XAGE1抗体が、ICI単剤治療の効果と予後を予測する有力なバイオマーカーであることを発見し、これら2種類の血清抗体の測定法を開発しました6
 当社では、これら免疫チェックポイント療法の効果予測バイオマーカーを実地医療で応用できるように、血清および血漿を用いて、NY-ESO-1抗体とXAGE1抗体を全自動で簡便かつ迅速に測定する方法を開発しました7。またNY-ESO-1は様々ながん腫で発現しているため、血清NY-ESO-1抗体は多くのがん種における ICI 効果予測マーカーとなる可能性が期待されています。
 がん細胞がCTAであるNY-ESO-1抗原やXAGE1抗原を発現すると、これらの抗原を抗原提示細胞が取り込んで分解し、CD4およびCD8陽性T細胞へ抗原を提示し活性化させます。活性化CD4陽性T細胞は、さらにCD8陽性T細胞を活性化し細胞障害性T細胞(CTL, cytotoxic T lymphocyte)へと分化させ、がん細胞を攻撃させます(細胞性免疫)。また、活性化CD4陽性T細胞は双方向性にB細胞を活性化し形質細胞へと分化させ、NY-ESO-1抗体とXAGE1抗体の産生を促します(液性免疫)。これらの抗原においては、2つの活性化経路は同時に進行すると考えられ、NY-ESO-1抗体とXAGE1抗体が存在している担がん患者では、抗原特異的なCTLが活性化されている状態にあると考えられます6。ICIは、CTL機能を抑制しているPD-1/PD-L1経路を遮断し、CTLを再活性化させ効果的にがん細胞を破壊することを促す薬剤であり、 血液にNY-ESO-1抗体やXAGE1抗体を有している担がん患者では、ICIの治療効果が高いことが推測されます。

HI-1000*で測定したNY-ESO-1抗体とXAGE1抗体の抗体値(SU/mL)とELISA抗体価の相関

HI-1000を用いて測定した血清NY-ESO-1抗体値(A)と血清XAGE1抗体値(B)は、
ELISA法を用いて測定した血清NY-ESO-1抗体価(A)と血清XAGE1抗体価(B)と高い相関を示した。
*研究用全自動高感度免疫測定装置 HI-1000

Ab; Antibody、SU; Sysmex Unit
(参考)血清と血漿での測定値は、両抗体において高い相関を示した(r=0.999,p<0.01)
 

抗PD-1抗体薬の単剤で治療した非小細胞肺がん患者(n=30)の臨床効果と 血清NY-ESO-1抗体値と血清XAGE抗体値の関連性

抗PD-1抗体薬の奏功群(CR/PR)の血清NY-ESO-1抗体値(A)と血清XAGE1抗体値(B)は、
非奏功群(SD/PD)と健常人(control)と比較して高値を示した。7
(●)免疫染色でNY-ESO-1またはXAGE1抗原の発現あり、(〇)抗原の発現なし。 Kruskal-Wallis検定を用いて各群の抗体値を比較した。(C)ROC解析の結果
Ab, antibody; NSCLC, non-small cell lung cancer; CR、complete response; PR、partial response; SD、stable disease; PD、progressive disease

川崎医科大学 免疫腫瘍学教室 岡 三喜男 特任教授 ご監修
※本サービスは研究用のため、診断には使用できません。


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